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はしやすめ その5:タモリ

 <ブラタモリ>観てますか?
 僕は今の放送時間になってから仕事の都合で観られないことが多いのですが(録画機器も持っていないし)、かつては毎回欠かさず観ていたものです。もっと言うと今のようなシリーズとしての放送が始まる前にあった2008年のパイロット版(ま、テスト版ですね)から観ていたぐらいで、要はそれぐらいに楽しみで大好きな番組なのです。
 それから大分の人はよくご存じでしょうが、<笑っていいとも!>が始まった当初、大分は放送がありませんでしたし、始まってからも最初は正午スタートではなくて夕方4時か5時からのスタートだったように思います。テロップで「この番組は今日の正午から放送されたものです」的なものが流れたりと。30年ぐらいの放映期間の中で僕が観たのは多分最初の10数年だったのかなと。でもその時期が番組的にもいちばん面白かったんじゃないかなあと思いますね。これがもう10年ぐらい経ったらそもそも<いいとも>を観たことの無い世代が出てくるんでしょうけれど。
 今でも続いている番組で言えば<タモリ倶楽部>ですねえ。特に「空耳アワー」を観たいがために観ることも多いですし、「タモリ電車倶楽部」のような回は好きですねえ。ああ、あとは半年で終わってしまいましたが<ヨルタモリ>も面白かったですねえ。
 さてここまでテレビ番組のことしか書いてませんが、ここからようやく音楽の話を。
 タモリは5枚ほどレコード・アルバムを出しています。で、僕はその中で<タモリ>(1977/Sony Music Direct )<タモリ2>(1978/Sony Music Direct )という2枚のCDを持っています。
 そもそもタモリのレコードを買ったきっかけ。それは僕が緒川たまきの大ファンであることと関わっています。僕はひところ緒川たまきの出演する舞台公演を観に行くだけでなく、彼女にまつわるものなら何でも集めていたことがあります。大概は本、雑誌といった書籍でしたが、彼女がイメージキャラクターを務めた化粧品の特大ポスター(店頭用の)をオークションで入手したりもしたものです。
 さて、あるとき彼女が蕎麦をモチーフにしたコンピレーション・アルバムに参加することを知りました。<ソバアンビエント(SOB-A-MBIENT)>(ビクター)というけったいなものですが、小西康陽、アンジェラ・アキをはじめとするミュージシャンが参加した「ちゃんとした」アルバムなのです。その中の1曲に小西による<ちりぬるを>という曲があり、そこに緒川たまきと石坂浩二が参加しているというのです。早速CDを買って聴いてみると「そばや、そば~や」と延々と繰り返し歌われているところに緒川たまきと石坂浩二のセリフのかけあいが乗っかってくる、というまた不思議なトラックでした。これはこれで面白かったのですが、その後この<ちりぬるを>のPVも入ったDVD付きの<蕎麦あんびえんとスーパーデラックス>というアルバムが出ると知り、また購入しました。すると、<ちりぬるを>のPVを撮ったのは何と市川崑で、それはそれは贅沢な作品でした。
 タモリの話から相当離れましたが、この<ちりぬるを>の原曲がアルバム<タモリ>に入っていることをまた後で知り、そこで僕はそれを手間をだいぶかけて(=オークションで)ようやく入手したのでした。僕が入手した後に、一度再発されましたが、今はまた入手しづらくなっているかも。
 <ちりぬるを>の原曲とされているのは、<タモリ>の中では<アフリカ民族音楽ソバヤ>という曲でした。聴いてみます。アフリカの民俗音楽のような打楽器の打ち鳴らしとリズム、そこに特に意味があるとも思えないような奇声が加わります。やがてタモリのリード・ヴォーカルが始まります。カタカナ表記もしづらいような歌詞なのですが、どうやらこれハナモゲラ語です。ようはやっぱり全く意味は無い。当然アフリカのどこの民族の言葉でも何でもない。単に「アフリカっぽい」というだけのデタラメ(褒め言葉ですよ!)。その背景にず~っと「ソバヤ、ソバ~ヤ」という合いの手が歌われるのです。それが延々と続く。そして聴いているうちに、ドサクサなのかやけっぱちなのか「フロヤノニカイデ~(ソバヤ、ソバ~ヤ)」というのも聞こえてくる。
 もうね、これは素直に「くだらねえっ!」と言って笑うしかないですよ。でもそれが良いのですよ。因みにタモリのバックには山下洋輔(タモリを「発見」した人ですね)や坂田明といったジャズ・ミュージシャンも付いており、彼らも面白がってやっていたんだろうなあ、と思います。あ、もちろんタモリが大のジャズ愛好家であることはみなさんご存知ですよね。前にこの「はしやすめ」のシリーズでもご紹介したアート・ブレイキーの<ジ・アフリカン・ビート>と並べてみれば、タモリたちがいかにふざけて(でも、それらしく)やっているかが分かります。
 <いいとも>終了後に放送された<ヨルタモリ>の中で、タモリが世界各地の音楽をいかにもそれらしく歌っている姿に大うけした人は多いと思いますが、その原型は既に彼がデビューした頃には確立していたのです。
 <ブラタモリ>のマニアックなタモさんも、<ソバヤ>の無意味を極めるタモさんも、僕はどちらも大好きですねえ。
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by ohayashi71 | 2016-06-18 18:24 | はしやすめ

はしやすめ その4:フェラ・クティ

 先日、久しぶりに映画館で映画を観ました。ジェイムズ・ブラウン(JB)を主人公にした映画で、大体伝記的なものでした。脚色も入っていたようなので、それは多少差し引くにしても面白く観ました。実は僕はJBの音楽は結構好きで、アルバムも10数枚ぐらいは持っていると思います。彼の膨大な録音歴からするとごく僅かですけれど。で、その中でも最も愛聴しているのは1960年代末から70年代前半にかけての頃のアルバムです。ちょうどJBが<セックスマシーン>とかを歌っていた頃ですね。この時代の彼の音楽はファンクと呼ばれていますが、一糸の乱れも無くバンドが同じフレーズ(ほぼリズムと同義と言って良いと思います)を繰り返す上に、JBの熱狂的なヴォーカルがかぶさってくるもの、という言い方でおおよそ説明が付くはずです。もし、機会があれば<Love Power Peace>と題された1971年パリでのライヴ・アルバムを聴いてみてください。バンドと一体となったJB(と相方のボビー・バード)の凄まじいパフォーマンスは、黒人解放運動やベトナム戦争反対の空気を生み出していた時代の熱気に後押しされたものでもあり、恐らく同じようなオーラを再現することはもはや難しいのではないかと思います。
 さて、ここからようやく本題。
 JBの表現は猥雑さも交えつつの社会批評でもあった側面があると僕は思っていますが、そんなJBに影響を受け、更に自分の直面した不条理な社会の問題に真正面からぶつかっていったのがナイジェリアのミュージシャン、フェラ・クティ(1938~97)です。フェラは自分の音楽をアフロビートと呼びました。それはJBのファンクに民俗音楽(JBだってアフリカ的でしょうが、フェラの場合、更に土着の、という意味で)やジャズの要素を加えたもので、結果こんな音楽になりました。ある種粘着的なリズム・パターンがバンドによって延々と繰り返され、そこにフェラが吹くサックスやキーボードが即興的に、攻撃的に絡みます。それがずっと続きます。しかし、実はこれは後に続く歌の前奏に過ぎません。曲によっては10分以上この状態が続くのです。こうして場の熱が十分に高まったところで、ようやくフェラの歌が始まります。
 彼がしばしばテーマとしたのは当時軍事政権の抑圧化にあったナイジェリアの状況や欧米文明がもたらした社会の歪みであり、それらに対する痛烈な批判や皮肉、反抗的な姿勢でした。そのためフェラは長年にわたり公権力との闘争を続けました。彼の私生活には確かに脱法的と捉えられるような行為もありましたが、公権力はそれ以上に彼の反抗的な音楽表現を恐れました。不当逮捕、収監が何度も行われただけでなく、軍隊による襲撃まで彼に対し公然と行われたのですから(フェラ自身がけがをしただけでなく、彼の母親はこの時の傷が元で死に至りました)、余程のことだと捉えるべきでしょう。
 それでも彼は1980年代の初頭まではこの不屈の姿勢を貫きました。それ以降は宗教的色合いを過度に強めたために、その分音楽的な強度が失われたと言われることもあるそうです。フェラもまた多数の録音を遺しており、僕が知っているのはやはりその一部でしかありませんが、結局最も凄みや熱を感じさせてくれる1970年代の作品が面白いのではないかと思います。
 例えば、軽快なテンポの音楽の中で軍隊をゾンビになぞらえて歌った<ゾンビー(Zombie)>(1976)、投獄経験を歌った<アラグボン・クローズ(Alagbon Close)>(1974)、上述した軍隊による襲撃事件をテーマにした<カラクタ・ショー(Kalakta Show)>(1976)等々。
 カップリングが変わったり廃盤だったりと、いろいろ聴こうと思ってもなかなか面倒な感じはありますが、輸入盤、国内盤、新品、中古、配信、更にベスト盤のいずれを問わず、フェラ・クティという名前にピンと来たらぜひ手を出していただければなあと思います。歌詞はともかくにしても、腰でリズムをついつい取ってしまいたくなるような音楽としての魅力は間違いなくあると思いますので。
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by ohayashi71 | 2015-08-15 00:29 | はしやすめ

はしやすめ その3:郡上踊り

 季節外れの話ですが盆踊りのことを。
 僕はバルトークの音楽に興味を持つようになってから民俗音楽にも関心を持つようになりました。最初は「ブルガリアン・ヴォイス」と呼ばれる、地声で歌って独特なハーモニーとリズムが斬新さを感じさせるブルガリアの女声合唱から入りました。それで、民族音楽の面白さが少し分かるようになって東欧や中東、インド、アフリカと辿っていくうちに、ようやく日本の民俗音楽に行き着いた訳です。
 ところが日本の民俗音楽と言ってもジャンルの幅が広いので、何処から手を付けるのが自分にとって面白がれるのか分かりませんでした。そう思っている時に図書館で出会ったのが、音楽之友社から出ていた<日本の音>という5巻からなるCD付きの書籍でした。大きく「声の音楽」と「楽器の音楽」、「総合」と分かれていて、国立劇場の公演で収録されたような音源とかも含まれていて、多分普通の市販されているCDでは出回っていないような音源もたくさんあるのではないかと思います。
 その中でいちばん面白かったのが民謡の部分でした。プロの民謡歌手ではなく、恐らく現地の人たちが歌っているようで、荒削りかもしれないけれど、その分素朴な美しさやエネルギーをよりストレートに感じさせてくれるものでした。それは、五線譜に記して作られた歌曲なのではなく、農作業や漁などの労働の調子を整えるため、あるいは豊作や豊漁を祈るために結果として出来た歌であり、日常で抱く感情を表すために結果として出来た歌であり、ということが分かった、という意味です。
 宮城の<大漁唄い込み>、青森の<ホーハイ節>、群馬の<八木節>、山形の<花笠音頭>などは繰り返し聴きました。しかし、僕の中でダントツのお気に入りになったのは岐阜の<郡上踊り>でした。収録されていた音源では、中庸なテンポの曲とそれよりも速いテンポの曲の2曲が入っており、笛と三味線、太鼓の囃子に盆踊り歌が乗っかるかたちになっていました。そして、2曲とも絶妙に粋でカッコいいのです。特に2曲目のリズミカルな音楽は僕の大好物になりました。
 ということになったのが、多分1990年代の終わり頃から2000年代の頭ぐらいの時期のこと。
 で、郡上踊りへの関心はひとまず定着しました。その後、2005年に僕は大分を離れて兵庫県西宮市に移りました。その年の夏休み、僕はふと思い立って郡上踊りを現地まで観に行くことにしました。郡上八幡市は、僕のような公共交通機関移動しかしない人間からすると不便な場所ではあります。まあ、それでも興味の方が勝ったのですね。あと体力的な自信も。
 どうせ観るなら有名な徹夜踊りを、というつもりで移動したので、乗客で満員の長良川鉄道に乗って郡上八幡駅に着いたのは夜の9時ぐらいだったのではないかと思います。駅は街の中心部から少し離れているので、最初はまだ人の多さを理解していなかったのですが、歩いて行くにつれ、僕は全く初めてのことに驚いてしまいました。通りから通りでずっと踊っている人だらけで、それを建物に沿って立つ見物客が眺める、という景色が延々と続いているのです。しかもどうやら踊っているのは地元の人たちだけでなく観光客の方もどんどん入っていっているよう。多分、見物人より踊り手の方が何倍も多いはず。とりあえず整然と踊られる鶴崎踊り(僕のイメージでは、ですけれど)あたりとは全然違う。とにかく圧倒されました。
 しばらくして、いちばんメインにあたるような交差点に辿り着きました。そこは交差点の真ん中にお囃子の屋台が置かれて、そこで生演奏したものをスピーカーで各方向に流していました。その辺りの人の密度もさることながら、熱気たるや。
 <郡上踊り>にはいくつかの曲があり、テンポやリズムもさまざまに異なります。そのどれもが特徴的で覚えやすい。そして歌い手もみんな巧い。名調子というのはこういうことかと思いましたね。
 踊りもカッコいいのですが、僕は音楽を聴くことを主目的で行ったので、全く踊りませんでした。そもそも一人で行っているから気恥ずかしさもあったのですが。とにかくその熱気に浸れただけで大満足でした。
 しかし既に日付が変わって深夜なので、さあ帰りましょう、という訳には行きません。なので、ぐったりしながら始発便を待って名古屋方面に向かいました。因みに、その年は名古屋万博があった年で、せっかくだからそこにも行ってみようかという気もあったのですが、既に気力も体力を使い果たしていたので敢え無く断念して西宮に帰ったのでした。
 さて<郡上踊り>。もし現地で観られる機会があれば是非お薦めしたいのですが、そうもいかない方には音楽だけでも。因みにyoutubeには「徹夜完全版9時間ノーカット」という映像もアップされているようですが(笑)。
 ということで<日本の祭り 郡上おどり>(キング)というCDを。ここには<郡上踊り保存会>による歌と囃子で収録されています。僕が<日本の音>で感激した2曲、<かわさき>と<げんげんばらばら>をはじめ、威勢の良い<春駒>、ドラマティックな<ヤッチク>など全10曲を収録しています。名調子と合いの手の呼吸の良さ。名演。
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by ohayashi71 | 2014-11-26 22:04 | はしやすめ

はしやすめ その2:アート・ブレイキー

 僕がジャズをちゃんと聴こうと思うようになったきっかけはデイヴ・ブルーベック(1920~2012)でした。彼の1959年のアルバム<Time Out>の収録曲<Take Five>と<Blue Rondo a la Turk>にゾッコンになったのでした。それはリズムに対する興味であり、変拍子に対する興味からで、その元を辿っていくと、僕がベラ・バルトーク(1881~1945)の音楽が好きだったからです。
 もちろん、美しいメロディや寛いだ雰囲気をジャズに求めるのもアリだとは思っていますが、僕はどちらかというとジャズには疾走感や衝動的なもの、粋な様子やカッコ良さを期待していることの方が多いようです。その意味でマイルス・デイヴィス(1926~91)の音楽は僕にとって最強です。とは言え、マイルスのような音楽だけがジャズではない、というのは当然のことで、他にも好きなプレイヤーは居ます。
 その一人がドラマーのアート・ブレイキー(1919~90)です。ジャズ・メッセンジャーズというグループを1940年代から長年に亘り率いて数々の名盤を世に送り出しましたし、またサイドメンとして他のプレイヤーのアルバムにもしばしば名を連ねています。単に活動歴が長いというだけでなく、実際に録音から半世紀近く経った今聴いても全く古めかしさを感じさせない素晴らしい演奏が多いので、いくつかに絞るのはなかなか難しいのですが、まあいつものように僕の愛聴盤ということで。
 多分アート・ブレイキーのアルバムでいちばん有名なのは<Moanin>(1958)(Blue Note/ワーナー)なのでしょうが、正直なところ僕はそれはそんなに聴いていませんね、嫌いじゃないですけど。それよりも断然聴いているのは<Mosaic>(1961)(Blue Note/ワーナー)<Indestructible>(1964)(Blue Note/ワーナー)ですね。ブレイキー以外の共通のメンバーはシダー・ウォルトン(ピアノ)、ウェイン・ショーター(テナー・サックス)、カーティス・フラー(トロンボーン)で、更には前者にはフレディ・ハバード(トランペット)とジミー・メリット(ベース)、後者にはリー・モーガン(トランペット)とレジー・ワークマン(ベース)が参加しています。いずれ劣らぬ名プレイヤーぞろい。その中で僕はリー・モーガンが大好きで、と始めてしまうと話がよそに行きそうなので今日はその程度に。
 <Mosaic>にしても<Indestructible>にしても、収録曲は確か全てメンバーの作曲によるもので、ブレイキー名義の曲は無かったはずです。しかし、旋律楽器でもないドラムの存在感は凄いですよ。ドラムはもちろんリズム楽器の一つとして、リズムやテンポをキープする役割があって、当然それはきっちりなのですが、その役割を果たしながら放り込んでくるドラムの音色と響きの多彩さ、そしてフロント陣を鼓舞し、煽り立てるような叩きっぷりは聴いていて興奮させられます。当時のドラムセットは現在のそれと比べると簡単な作りだったと思いますが、しかしその限られたセット内容でいかに変化に富んだリズムを打ち出していたことか。そういうことが手っ取り早く分かるのは<Mosaic>で言えば1曲目のタイトル曲でしょう。
 今挙げた2枚はジャズとしてはオーソドックスなスタイルのものですが、そうでないかたちの愛聴盤を。それはほぼ打楽器アンサンブルとも言える編成で録った<The African Beat>(1962)(Blue Note/ワーナー)です。ブレイキーはアフリカの民族音楽にも関心を持っており、それをジャズのイディオムの中で発展させるような表現への欲求を持っていたようです。そのためラテン系の楽器も組み合わせながら、その手のアルバムをBlue Noteに全部で4枚分遺しています。近年のように「ワールドミュージック」という概念が薄い頃の話なので、まあ売れ線ではなかったようですが、却って今聴くととても面白い作品だと思います。<The African Beat>はその最終作に当たりますが、その中で僕がいちばん好きなのは第3曲の<Love, The Mystery of>です。このアルバムの中で最も民族的な色合いが濃い、つまり普通のジャズ的なムードからいちばん遠い曲です。そして周りの打楽器陣と呪術的な謡い、更に何故か加わっているオーボエなどに逆に煽られてのブレイキーの壮絶な叩きっぷりは最高です。この1曲だけでも本当に聴く価値アリだと僕は思っています。
(左から<Mosaic><Indestructible><The Africa Beat>)
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by ohayashi71 | 2014-06-27 01:58 | はしやすめ

はしやすめ その1:アントニオ・カルロス・ジョビン

 10回ばかりクラシックのことをずっと書いたので、この辺でちょっとはしやすめということに。

 <イパネマの娘(Garota de Ipanema)>という曲は皆さんご存知ですね。曲名は知らなくてもメロディは何処かで耳にしたことがあるのでは。で、その曲の作曲者がアントニオ・カルロス・ジョビン(1927~94)です。ジョビンは本当に数多くの名曲を世に送り出しました。
 <デサフィナード(Desafinado)>、<想いあふれて(Chaga de Saudate)>、<ワンノート・サンバ(Samba de Uma Nota So)>、<おいしい水(Agua de Beber)>などなど、まだこれでも代表曲のほんの一部でしょう。ジョビン自身の歌を収録したアルバムもありますが、ジョアン・ジルベルトやナラ・レオン、アストラッド・ジルベルト、あるいはセルジオ・メンデスなどがカヴァーしたヴァージョンでご存知の方も多いでしょう。
 上に挙げた曲はほぼボサノバというジャンルに属する音楽とされているのですが、ここで勘違いしてをいけないのはジョビンはずっとボサノバ的な音楽ばかりを書いた訳ではないということです。
 その意味で、僕が大好きなジョビンのアルバムを今回はご紹介したいと思います。
 ジョビンの音楽はポピュラー歌謡というジャンルの中だけで捉えるべきではなくて、ジャズやクラシックにも繋がる要素があり、それだけの奥行きも備えた大きな存在だと思います。極端なことを言えば、彼の音楽そのものがひとつのジャンルであるとも僕には思えるのです。
 ということで、僕のイチオシは1976年のアルバム<Urubu>(Warner)です。
 本音を言えば1曲目の<O Boto>だけでも僕はOKなぐらい。冒頭にビリンバウというブラジルの民族楽器がビヨヨ~ンと鳴り響くので、一瞬引いてしまうかも知れませんが、その後に来るオーボエの音色でパッと幕が開いて、いい感じのテンポでリズムが刻まれた後にジョビンとミウシャという女性の歌手の歌声が乗っかってきます。2人の歌はユニゾンになったりハモったりするのですが、まあ特にジョビンの声の味わいと言ったら。
 そして、歌を包むバックのオーケストレーションの見事さ。アレンジはクラウス・オガーマンという人によるものですが、彼も素晴らしい仕事をたくさんした音楽家です。因みにジョビンとは<Urubu>の前にも1973年の<Mattita Pere>(Verve)をはじめいくつかのアルバムで組んでいますが、どれも傑作だと思います。
 <Urubu>に話を戻しますが、2曲目<Ligia>、3曲目<Correnteza>、4曲目<Angela>と美しい歌が続きます。後半は歌抜きのインスト曲が4曲ですが、これもジョビンとオガーマンの音楽の方向性がバッチリとハマっていてとても素晴らしいです。
 <Urubu>は全体的にボサノバ的な軽やかさよりも、少し重めな音楽たちではあるかもしれませんが、その潤い溢れる響きとメロディの美しさはこの上ないものだと僕は思います。f0306605_154423.jpg
 
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by ohayashi71 | 2014-03-02 01:56 | はしやすめ


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